病気には、2種類あるとする説に基づく。

病(イルネス)…近代医学を使わない人たちの病気概念。人々が日常生活の中で主観的に感じる病気。
疾病(ディジーズ)…近代医学による病気概念。近代医学が定義する病気。

近代医学は、病理学的な独自の病気概念を持っていて、症状は病気ではなく、その奥にある病巣(病気の実在)に注目する。一方、人々が感じる社会的経験や文化の中でつくられた病気概念が病である。
近代医学の本質的な方法は、「病人(病)を見ないで、病気(疾病)を診る」こと。

これは、具体的に「腰痛」で考えてみれば、ものすごくわかりやすいですね。

腰が痛くなり、整形外科に行く。
そこで、レントゲンをとり、ヘルニアだとわかる。
それでは、今後、こうしましょう、と治療方針が決まる。
この場合は、病(腰痛)と疾病(ヘルニア)が、うまく合致しています。

しかし、腰痛の場合は、そうでないことがほとんどです。

腰が痛くなり、整形外科に行く。
そこで、レントゲンをとるが、骨には異常が見当たらない。
医者としては、疾病が診られないので、異常はないということになります。
しかし、患者は腰が痛いのです!
病(腰痛)はあるのですが、疾病がみつからないため、医者は手の施しようがありません。

医者は、病を見るのではなくて、疾病を診るという、わかりやすい例ですね。


※参照 『健康不安社会を生きる』 飯島裕一編著 より